Creator's monogokoro
どこでもおもてなし な気分
できることなら人生いつでも、どこでも、おもてなしな人間でありたいと願うところでございます。一期一会と思いながらも、つい日々のモノゴトに気をとられ、素気ない態度で時間を潰すことが少なくないものです・・・。
ある日、友人よりこの「ポータブル野点キット」を譲り受けました。中身を見て「あらま♥」と、ほっこりした感情を抱きました。ヒトは既成のスケールと違うモノを見た時、何らか想定外の感情を抱くと思います。それが既成概念より大きければ「あらまっ!!」、小さければ「あらま♥」というコトになるのではないでしょうか。茶室は、にじり口という「結界」により、外(日常)と乖離した別世界でもてなしを行いますが、野点キットは「あらま♥」スケールが、別世界への境界線をもたらしているように思います。窮地に陥った時は、これでお茶を濁したり、へそで茶をわかしたりするのも一興でございましょう。
感謝という思いがホスピタリティという行動へ。
自分が使っていて良いと確信したモノを、ご来客にはお出ししています。
相手に言葉で感謝を伝える事はもちろん重要ですが、相手に喜んでもらったり、会って良かったと思ってもらえるのは、言葉を越えた気持ちが行動へと変わり、コトへと変貌しているからだと思うのです。それは、自分がもてなされて嬉しかった経験からきています。
自分が良いと思うモノは、価格でもネームバリューでもありません。
それは、「使う側の人に優しくて、コトの中でその役柄の意味を十分発揮するモノ」だと考えています。
もちろん私、岩田浩司がデザインするモノにも、そのポリシーを基に他の要望など含めてデザインしています。
居心地の良い時間を共有すること。
お客様をお迎えするスタートは、好みのスリッパを選んで頂く事から始まります。(自分でデザインした、リボンをモチーフにしたスリッパラック。商品名「ribbon」RUNESEIKOU)
コーヒーやお茶を出す事もありますが、玄関を入ってすぐのウォーターサーバーを見て、お水を希望されます。環境の事を考え紙コップは使いません。やはり紙コップで飲むよりも、奇麗なグラスの方が美味しく感じると思います。「ドイツ、Thomas」のコップは持ち手を外す事が出来る優れもの。気に入って長年愛用しています。
そして、飲み物以外にテーブルにあるものが花です。事務所には花器がいくつかあり花を飾っています。(自分でデザインした食卓にある風景をシルエットにした花器。商品名「shadow」WAAZWIZ)事務所の固いイメージを和らげてくれ、生花がある事によって気分も華やぐのではないでしょうか。
お茶で誰かとほっとしたい。
あらたまったおもてなしは苦手で、食器が揃っているのもこそばゆいです。白い食器も清らかすぎて照れ臭いです。
旅先やギャラリーでちょこちょこ揃えるのが好きです。コペンハーゲンの古道具屋にはいろんな柄の急須の蓋が売られていました。 使っていた人の食器への愛が表われているようでほほ笑ましかったです。和食器のような洋食器、家庭的でトラディショナルな柄や、発色がキレイな陶器。つぶれた紙コップのような食器。全然違う場所で買った茶器を偶然合わせる楽しさ。柄がいっぱい重なると豊かな気持ちになります。ソーサーとカップをわざと違うものを合わせたり。
山に行ったときに魔法瓶からコーヒーを振る舞ったり、お菓子を分けてもらったり、おもてなしではないけれど、じんとくる。お茶を介在してヒトと時間を共有する。持ってきてくれたお土産を開けるのは楽しい、自分のお土産を"美味しい"と言ってもらうと素直に嬉しい。気さくなティータイムを誘う茶器を作りたいです。
「おもてなし」のための道具は、
作り手の想いが宿った道具であるべきだと思います。
我が家でも会社でも「オモテナシ」がかかせない、Kab Design のオリジナルZAKKA 「CHA-taku」。
デザイナーの Kab saito が、自らの生活体験起点に創造するZAKKAシリーズの一アイテムです。 仕舞う姿も美しくあるべきと考え、デザインされた「CHA-Taku」 チークのチャタク5枚セット 。チークの木目を生かしたアイテム、木目はとても個性的ですので、ひとつとして同じ木目がないのも魅力。
5枚を並べて木目を眺めて、チークの大木に想いをはせるてみるものまた楽しいひと時なのです。最後の工程に響きあう5枚の木目を選び出す、この工程があります。ペーパー仕上げや塗装の制作段階でバラバラになった大木の塊を元に戻す、パズルのよう。 この工程が、商品に作り手の想いが宿る最後の瞬間なのだと感じます。「おもてなし」とは、相手を大切に思い振る舞うこと。
「おもてなし」のための道具は、作り手の想いが宿った道具であるべきだと思います。
「打合せの中のほっと一息 選ぶのも楽しい個性的な茶器たち」
5年程前に思わず一目惚れという感じで購入したのが、このティーポットと湯呑みです。
ミラノ在住の富田一彦氏のデザインにより日本で作られ、イタリアのCOVO社から販売されています。ティーポットの方は既に生産終了とのことなので、在庫のあるうちにもう一つ購入しておこうと思っているくらい気に入ったデザインです。
テーブルウェアは機能的で飽きのこないシンプルなものも良いのですが、初めて訪れたお客様や友人がこれらを見ると、皆笑顔になります。このように場が和むようなモノがあると会話も弾みますね。モノを通したコミュニケーションにデザインの力を感じます。
「おいしいデザイン」
お客様のためにもですが、とにかくスタッフが気持ちいい環境で仕事できるように、飲み物は充実しています。中でもウィルキンソンの辛口ジンジャエールは、ケースで購入するほどの事務所の定番です。
グラスには、PAVINAとRIEDEL-Oを使っています。PAVINAは二重構造のグラスで、飲み物が冷めにくく、持ちやすいデザイン。液体が宙に浮いたような形も美しい。RIEDEL-Oは、ワイングラスのステムを消しただけの形が特徴のグラス。口当たりは老舗ワイングラスメーカーのワイングラスそのまま、それを日常でも使えるようにしています。どちらもデザイナーの名前が出ているものではないですが、すべてのグラスのお手本になるような、すばらしいデザインです。グラスには、KDDIから発表したdripgripという滑り止めをつけています。すべりやすいグラスに、機能性とちょっとした遊び心を。実はこの写真にも写っています。見つけられますか?
感覚を信じているモノでおもてなし。。
もてなし方というのは、その人の感性が出ると思っています。写真はうちの会社で使っているものですが信楽の茶器は、若手の作家さんのもの。土ものの風合で得られる触感や作陶の表現としても洗練されている感じがして気に入っています。
うすはり状のグラスも「飲み口が薄い」事でえられる触感が楽しめるグラスで、お客さんも喜んでくれます。柳宗理さんのアイスクリームスプーンは、夏場活躍しますが懐が深くて美味しく頂ける。計算されているんですね。特に日本の伝統的なプロダクトは感覚を信じているモノが多いような気 がします。そこが気に入っている理由かも知れません。
『ありがとうのもてなし』
三宅商店という倉敷にある百数十年前に建てられた町家をそのまま使ったカフェで出されるものは、やさしい飴色をした木製の受け皿と懐かしくて、ゆっくりした時間の流れと人の笑顔。開店当時は白木だったこの受け皿はずっと来店されたお客様をもてなし、洗われ、またもてなしの繰り返しで生まれた色と風合いです。
オーストラリアに帰国する友人に、筆と墨汁のセットをプレゼントしました。後日その友人からもらった慣れないひらがなと筆でかかれた『ありがとう』の文字。もてなした自分がもてなされた気持ちでした。もてなされて気の悪い人はいないと思うけれど、もてなされて気持ちがいいと思える場面がすべてではないと思う。気持ちいいと思えるかどうかはもてなしてくれたモノにもてなす人の『ありがとう』の気持ちが添えられているかどうかだと思います。








































